平成の時代に入り、物(モノ)が売れなくなったと言われます。
昭和の後半に訪れた、バブル時代などという言葉も、
団塊の世代が次々と現役から退きはじめて、
もはや、そんな言葉の意味も解らない世代が、
時代の中心になりつつあります。
今は、検索者の気持ちにならなければ物が売れません。
その原因は、一言で言えば「時代」なんですが・・・
それで終わってしまったら、身も蓋も無いので。
今日はそこを掘り下げてお伝えします。
昭和の高度経済成長時代は、完全に生産者側の時代だった。
と言っても良いでしょう。
少々乱暴な言い方になりますが、日本のメーカーは、
新商品を次々に発表し、市場に供給すれば、
消費者はどんどんその商品を買いました。
手持ちの現金では、とても手が出ないという、
ある程度値の張るものでも、
「ローンなら買える」という発想を抱き、
平気で30万~300万円程度の買い物をしていました。
でもなぜ当時は、消費者の財布のヒモが、
そこまで緩かったのでしょう?
それは、景気が良かった、ということも、
確かに間違いではありませんが、最大の理由は、
世に出てくる商品そのものが、まだ
「世の中に無かったもの」
だったからであり、
「商品自体に解り易い魅力があったから」
なんです。
もう、知ってしまったら、欲しくなってしまう。
欲しくて欲しくて、夜も寝られなくなってしまう。
そんな商品が沢山世に出てきたワケです。
洗濯機や冷蔵庫などのいわゆる白物家電をはじめ、
TVやビデオのAV機器とか。自動車なんかもそうですね。
一昔前までは、夢の産物であったものが商品化されたり、
一部の富裕層にしか手に出来なかった贅沢品であったり。
商品そのものに、人々をひきつける魅力が備わっていたので、
メーカー側は、常に自信を持って、世に送り出していたわけです。
「あなたが欲しかったものですよ、さあどうぞ」
てなもんですね。
そして物あまりの時代に突入します。
こんな時代が、ずっと続けばよかったんでしょうけど、
世の中そんなに甘くは無いんですね。
ある日を境に、というワケでは無く、
ジワジワと市場は変化していきました。
人々の生活水準が、ある程度まで上がっていき、
そして景気が冷え込みだすと、人は物を買わなくなりました。
- 今持っている物で、事が足りるからいいや。
- 支払えるかどうか解らないから無茶は出来ない。
- 大して違いが無いから、買うほどでもないね。
そんな心理が働いてか、物が全く売れません。
メーカーが、知恵を絞って、新商品を開発しても、
その価値が、末端の消費者には届きにくい時代に、
マーケットは移行していきました。
でも、よく考えなくとも解ることなんです。
消費者の意見は、ごもっともなんですよ。
必要のないものを、買う必要は無いでしょ?
メーカーや小売りなど、売り手側の、時代の読み違い、
市場認識の甘さが、浮彫になって来たってことですね。
平成の時代が進んで行く中、各業態は淘汰の時代に入り、
企業はあるマーケット理論を考えるようになりました。
マーチャンダイジング(MD)という発想
マーチャンダイジング。
もしあなたが、流通業に一度は身を置かれていれば、
この言葉を耳にしたことがありますよね?
マーチャンダイジングとは、一般的に
「お客様に、何を・いくらで・どのように」
提供するかを決めることです。
つまり、想定するお客様に対し、
商品の品揃え、価格、販売方法を決めるのですが、
ここで大事なことは、
お客様の立場に立って考える必要がある。
ということです。
売り手市場の時代が終わったことは、誰の目にも明らかです。
そこで、物余りの時代に対応すべく、購入者の目線で、
商品を開発したり、価格を決めたり、販売方法を決めるのです。
只安くすれば、物が売れるワケではありません。
たとえば、このスピーカーが1万円だったとして、
それが、今だけ100円になったとしても、
スピーカーが必要なければ買う人はいないでしょ?
(まあ、転売目的の人は仕入として買うかもしれませんが)
この1万円のスピーカーを、
- 購入していただきたい人は、どんな方なのか?
- つまりは、どんな方が必要とされるのか?
そこを掘り下げて考えるには、売り手側の発想では無く、
購入者側の目線で考えなければなりません。
売り手側の発想
1万円の物が100円なんだから売れるだろう→×
買い手側の発想
性別、年齢、収入、部屋の間取り、家族構成etcを考え、訴求方法を考える→○
ということです。
検索者の気持ちになって考えること
只の安売りをして、一瞬売上が上がることも、
無くは無いのですが、当然長続きはしませんし、
そもそもビジネスの目的である「利益」を生みません。
今の時代で、物を売るには、このマーチャンダイジング、
という発想が必要不可欠であり、その最大のポイントは、
顧客目線での発想、つまりアフィリエイトで言えば、
「検索者の気持ちになって考えること」
ここが大切なのです。